西日本で豪雨が続き、ここ30年で最も深刻な水害をもたらした。日本メディアによると、7月10日午前までに130人が死亡し、約60人が行方不明になっている。救援活動が進むにつれ、被害はさらに拡大すると予想される。

日本は地震や火山噴火などの自然災害が多く、防災警戒体制が比較的整い、国民の防災意識も強い。では、今回の豪雨がこれほどの被害を出したのはなぜか

記録的な豪雨

被害がこれほど大きいのは、まず記録的な豪雨だったためである。梅雨前線が活発化する中、西日本の広範囲で豪雨が続き、多くの地域が過去最大の降水量を記録した。

6月末から、西日本の広範囲で豪雨が続いた。日本気象庁の統計によると、6月28日から7月8日までの高知県馬路村魚梁瀬の降水量は1852.5ミリ、本山町は1694ミリ、愛媛県石鎚山は965.5ミリに達し、例年の7月の降水量を超えた。

8日までの72時間で、多くの地域が過去最大の降水量を記録。愛媛県西予市宇和町は523.5ミリ、広島県呉市は465ミリ、山口県岩国市は444.5ミリ。NHKは、全国約1300カ所の雨量観測所のうち119カ所で72時間の降水量が統計開始以来の最高値に達し、123カ所で48時間の降水量が最高値に達したと報道した。

短時間の豪雨により川やダムの水位が急上昇した。重大な被害が出た岡山県倉敷市真備町では川が決壊し、家屋の約3分の1が洪水に襲われ、1000人以上が屋根に上がって助けを求めた。真備町だけでも28人の犠牲者が出た。

日本気象庁は9日、明仁天皇の元号を用いてこの水害を「平成30年豪雨」と命名。1982年に長崎県で299人の死者と行方不明者を出す水害が発生して以来、日本で最大規模の豪雨による被害となる。

地形が悪い

豪雨による地質災害で多くの死者と行方不明者が出た。

日本の国土面積の約3分の1は山である。元国土交通省官僚で砂防・地すべり技術センター専務理事の大野宏之氏は、「日本の地質構造は脆く、土砂崩れや土石流が発生しやすい。山の斜面または山の麓の浸水しやすい平地に建っている家屋も多く、山崩れや山津波などの危険がある」と述べた。

中国社会科学院世界経済・政治研究所で日本研究を行う陳哲博士は新華社に対し、「数十年に一度の豪雨で山崩れが発生し、大量の土砂が流れ、住民は逃げ遅れた。家の中に隠れても、場所が悪ければ埋れてしまう」と話した。

同様に被害が深刻だった広島県熊野町、広島市安芸区などでも大規模な土砂崩れが発生し、数十人の死者と行方不明者が出た。

日本の多くの住宅は木造で、地震に強いが洪水や土砂崩れには弱い。日本消防庁の大まかな統計によると、10日午前までに347棟の民家が全壊または一部崩壊し、9868棟の民家が水没した。

警戒意識が弱い

政府の警戒力不足、民衆の水害防犯意識の低さは今回の水害が深刻化した原因の1つである。

共同通信社は9日、各自治体は計600万人の住民に避難通知を出したが、避難通知は強制ではなく、多くの人が気にかけていなかったと報道。

日本の災害心理学者の広瀬弘忠氏はAFP通信に対し、「人は災害を目の前にすると正常化の偏見という心理が生まれ、自分は安全だと思い、危険と脅威を甘くみる傾向にある。そして災害に襲われたとき、逃げ遅れる」と述べた。

「このような天性により、人は土砂崩れや洪水が突然発生した際にすぐに反応できない」と広瀬氏。

また、日本政府の災害警報メカニズムに問題があるとも指摘。日本では、大雨特別警報などの防災気象情報は政府機関の気象庁が発表し、避難情報は自治体が発表し、自治体は災害対応の経験が不十分である可能性がある。

陳哲氏は、日本の学校の全教育段階で防災教育が行われるが、防災訓練は地震や火災への対応が中心で、水害や土石流などの訓練が不十分だとの見解を示した。豪雨の際、住民の防災意識は地震発生時ほど高くなく、その部分だけ抜けていると言える。

菅義偉内閣官房長官は9日、政府は災害と避難警報の発表方法の修正を検討すると明かした。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月11日