国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チーム長、中国工程院院士の鐘南山氏はこのほど、欧州呼吸器学会次期会長のアニータ・シモンズ氏とビデオ会議を開き、欧州呼吸器学会に対して中国の新型コロナウイルス肺炎感染対策の成果と経験を紹介した。

新型コロナウイルス、基本的な特徴と検査

鐘氏はまず、ウイルスの遺伝子配列状況、人から人への感染の性質、各種感染ルートといった今回の新型肺炎の感染状況の基本的な特徴を紹介した。鐘氏は新型コロナウイルスの検査について、チームが開発したスムーズなIgM(免疫グロブリンM)検査試薬を、PCR検査の補助的手段にできると紹介した。鐘氏はまた恒温増幅チップ法の応用を紹介した。この技術は新型コロナウイルス、インフルエンザA・B型の区別に活用できる。

臨床治療の経験を共有

鐘氏によると、2月17日まで150種弱の新型肺炎治療薬の試験が行われている。これにはレムデシビル、リン酸クロロキン、及び各種中国医薬が含まれる。

鐘氏によると、新型肺炎の患者が死の危険に直面していることから、一般的な薬品試験のように厳格な無作為対照の研究方法を取り、対照グループの患者に捨て薬を飲ませるわけにはいかない。これは医学の倫理にもとる。現在の薬品試験の多くが、対照グループを使わない研究方法を採用している。リン酸クロロキンの試験では、多くの患者が服用から4、5日内に陰性に転じる状況が確認されている。鐘氏は、市場で現在流通している一部の中国医薬も、ウイルス及び炎症に対して一定の効果を発揮すると判断した。

酸水素ガス発生装置、一定の効果を発揮

鐘氏は、チームが武漢市と広州市の3軒の病院から集めたデータによると、酸水素ガス発生装置が重症者の酸欠症状を和らげる一定の効果を発揮しており、かつ使用コストも低めであると特に言及した。現在すでに1000人弱の患者が酸水素ガス発生装置による治療を受けている。

欧州で感染が急拡大、鐘氏は「中国の経験」の共有を提案

鐘氏は、感染者及び感染の疑いのある患者のデータを毎日更新・発表することが重要な措置との観点を示した。鐘氏はまた、共同感染対策メカニズムを運用し、早期発見・早期報告・早期隔離・早期治療を貫くことが、感染対策で重要になると協調した。

鐘氏はビデオ会議の中でさらに、軽症者の仮設病院への転院や感染拡大の早期防止など、中国の感染対策の経験を紹介した。シモンズ氏は「新型コロナウイルス肺炎の感染が今後2年もしくは5年内に再発した場合、どのような問題に注意すべきか」といった仮説を立てた。鐘氏はそれについて詳細に回答した。

欧州呼吸器学会への提案

鐘氏は、一部の欧州諸国で感染拡大が相次いでいるが、拡散を早期防止するべきだと述べた。また検査により新型肺炎とインフルエンザを区別するべきと指摘した上で、中国は自国の経験を共有し、欧州呼吸器学会と連携していきたいと表明した。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月12日